野球にはいろいろな指標があります。
野球を統計学の観点から分析する「セイバーメトリクス」が広く知れ渡るようになってから、いろいろな指標がみられるようになりました。
そのうちのひとつに、『WHIP(ウィップ)』というものがあります。
名前を見たことはあっても、意味や何の指標かわからないのではないでしょうか。
そこで、この記事では、
の上記2点について徹底解説していきます!
用語解説
『WHIP(ウィップ)』とは…
「Walks plus Hits per Inning Pitched」の略。投手を評価する指標のひとつ。
「1投球回に、何人の走者を出したか」を表す数値。
WHIPの数値が1であれば、毎回1人のランナーを出す。WHIPの数値が2であれば毎回2人のランナーを出すというように、投手の「安定感」を測る指標。
評価基準
WHIP数値には評価基準があり、その目安は下記の通りとなっています。
WHIP | 評価 | |
---|---|---|
1.00 | 素晴らしい | 球界を代表するエース級(1.00以下) |
1.10 | 非常に良い | チームのエース級(1.20以下) |
1.25 | 平均以上 | |
1.32 | 平均 | |
1.40 | 平均以下 | 1.40以降は問題あり |
1.50 | 悪い | |
1.60 | 非常に悪い |
最高評価が1.00に対し、最低評価が1.60と数値範囲としては狭いです。
2010年~2019年の2010年代における、実際のWHIPシーズン記録を見てみましょう!
年代 | 球団 | 最優秀者 | WHIP |
---|---|---|---|
2010 | 広島 | 前田健太 | 0.98 |
2011 | 中日 | 吉見一起 | 0.87 |
2012 | 読売 | 杉内俊哉 | 0.98 |
2013 | 広島 | 前田健太 | 0.96 |
2014 | 広島 | 前田健太 | 1.10 |
2015 | 読売 | M・マイコラス | 0.90 |
2016 | 読売 | 菅野智之 | 0.99 |
2017 | 読売 | 菅野智之 | 0.85 |
2018 | 読売 | 菅野智之 | 1.00 |
2019 | 中日 | 大野雄大 | 0.98 |
年代 | 球団 | 最優秀者 | WHIP |
---|---|---|---|
2010 | 日ハム | ダルビッシュ有 | 1.01 |
2011 | 日ハム | ダルビッシュ有 | 0.83 |
2012 | 日ハム | 吉川光夫 | 0.88 |
2013 | 楽天 | 田中将大 | 0.94 |
2014 | 西武 | 岸孝之 | 1.00 |
2015 | 日ハム | 大谷翔平 | 0.91 |
2016 | ロッテ | 石川歩 | 1.01 |
2017 | 西武 | 菊池雄星 | 0.91 |
2018 | 楽天 | 岸孝之 | 0.98 |
2019 | 日ハム | 有原航平 | 0.92 |
2010年代の10年間でシーズン最優秀WHIP投手は、14投手いました。
そのうち、約半数となる7投手が後にメジャーリーグに挑戦しています。
シーズン最優秀WHIP投手は1.00を切ることも多く、圧倒的な投手であることの証明とも言えますね。
投手の「安定感」を測るWHIPですが、問題点もあります。
それは何かというと、以下の2つがあげらます。
- 野手の守備に左右される
- WHIPだけの成績で、良い投手という判断ができない
それぞれ解説していきます。
WHIPは「 (与四球 + 被安打) ÷ 投球回」の計算式で評価されます。
そのうちの、野手の影響を大きく受ける被安打を内容に含んでいるため、味方の守備の上手さでWHIPが変わってしまうとも言えるのです。
WHIPは長打も単打・四球と同様にカウントされます。
そのため、四球は少ないが長打を打たれやすい投手は、WHIPが示す評価ほどの成績を残せないという欠点があるのです。
これら2点から、WHIPは投手の能力を総合的に評価することはできないといえます。
あくまで、1投球回あたり何人の走者を出したかの「安定感」を見るための指標ということです。
野球指標『WHIP(ウィップ)』について解説してきました。
難しいと思っていたけれど、実は簡単だったと思うのではないでしょうか!
これで、プロ野球もより一層楽しんでいただけると嬉しいです!
読んでいただき、ありがとうございました!