野球のプレーのひとつに「隠し球」という、トリックプレーがあるのをご存知ですか?
トリックプレーということもあって、非常に難易度の高いプレーのひとつです。
あのイチロー選手も、オリックス時代にこの「隠し球」でアウトになったこともあります。
プロアマ問わずなかなか見ることができないので、意外と知らない「隠し球」。
の上記2点について、わかりやすく解説していきます!

用語解説
『隠し球(かくしだま)』とは…
走者に気づかれないように野手がボールを隠し、走者が塁から離れた際にボールをもったままタッチして走者をアウトにするトリックプレーのこと。
隠し球は相手に気づかれないことが何よりも大切です。
しかし、相手に気づかれずに行ったとしても、ルールを破ってしまえば隠し球は成立しません。
隠し球におけるルールを紹介していきます。
- ピッチャーは「隠し球」が行われるまで、プレートをまたいだりキャッチャーとサイン交換してはいけない。
ピッチャーがマウンド上で、サイン交換や投球動作に入ってしまうと「隠し球」は適用されず、ボークが取られてしまいます。
- 審判が「ボールデッド」を宣告する前に行うこと。
プレイが一段落したところで、審判員にタイムを要求しタイムが宣告されると、ボールデットとなるため「隠し球」は適用されません。
球審がプレイを宣告し、再びボールインプレイとなるときは、
ボールデッドになった後、投手が新しいボールか、もとのボールを持って正規に投手板に位置して、球審がプレイを宣告したときに、競技は再開される。
公認野球規則5.12(8)
と定められているので、一度ボールデッドとなれば、ルール上、隠し球が起こることはありません。
この2点に注意しながら、「隠し球」を試みることが大切です!
日本プロ野球では10年以上行われていない
この「隠し球」、日本プロ野球では2009年6月30日のソフトバンク-オリックス戦。オリックス山崎浩司選手の成功を最後に、2021年現在も10年以上行われていません。
その理由として、今ではほとんどの打者が、自打球やデットボールを防止する防具をつけていることがあげられます。
出塁したときに、タイムをかけて防具を外すため、必然的に「隠し球」が行えない状況になってしまうからです。
今のプロ野球では、行うのがかなり難しいプレーのひとつとなっています。
賛否両論
「隠し球」はその性質上、賛否両論の意見があります。
日本では、太平洋戦争中の1943年に「武士道に反する」という理由で禁止されていたほどです。
高校野球でもしばしば、「正々堂々としたプレイではない」「高校生らしくない」という意見もありますが、高校野球特別規則でも特に禁止されているわけではありません。
高校野球史上はじめて甲子園で「隠し球」を決めたのは1965年のことでした。
このとき、国内が賛否両論となったなか、王貞治氏は「頭の良いチームにしか出来ない事」とそのプレイを評したといいます。
「隠し球」は公式用語ではない
ここまで「隠し球」について紹介してきましたが、この「隠し球」という言葉は公認野球規則では定義されていません。
つまり、自然と普及していった言葉なんです。
バント店長
日本プロ野球で10年以上行われていないということを、知らなかったのではないでしょうか!
今後「隠し球」を見ることはできるのでしょうか!
それもひとつの楽しみですね!
ご自身がプレーする際には「隠し球」をされて、怒られることがないよう集中してプレーしましょう!笑