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「ボーク」というルールを皆さんは知っていますか?
野球をよく見る人は、そのシーンを一度は見たことがあるのではないでしょうか。
一見難しそうなルールですが、理由を知ればルールを簡単に理解できます!
今回は「ボーク」の詳しいルールを、小学生でもわかるように解説していきます!
まずは簡単に、用語解説からです!
用語解説
- ボークとは?
- ピッチャーが投球する際の反則行為のこと。
英語の「Balk」は「立ち止まる、妨げる、妨害する、邪魔する」と言った意味があります。
日本語では「疑投」と書きます。
ボークとは、投手が投球動作中に規則に反した行為を行った場合に宣告される違反行為です。
ボークが発生すると、審判はすぐに「ボーク!」と声を上げて試合を停止し、塁上のランナーには次の塁への進塁が許されます。
バント店長
なぜボークのルールがある?
ボークの目的は、投手がランナーやバッターを不正な動きで惑わせるのを防ぐことです。
投手が意図的にバッターやランナーを惑わせる行為を制限することで、公平に試合が行われるようにします。
審判は、投手の不正な動きを見逃さず、即座に「ボーク」を宣告する必要があります。
ボークの種類は全部で13種類です。
公認野球規則では「6.02 投手の反則行為」で記載されています。
全13種類を、解説を交えて紹介していきます!
①投球を途中で中断したとき
投球を始めた姿勢から中断せずに投球しなかった場合には、ボークとなります。
プレートを踏んだ状態からワインドアップからセットポジションに変えたり、途中で止まってしまったりなどが当てはまります。
(1) 投手板に触れている投手が、5.07(a)(1)および(2)項に定める投球動作に違反した場合。
【原注】 左投げ、右投げ、いずれの投手でも自由な足を振って投手板の後縁を越えたら、打者へ投球しなければならない。ただし、二塁走者のピックオフプレイのために二塁へ送球することは許される。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
②牽制するふりだけして送球をしなかったとき(偽投)
走者がいる場合に牽制するふり(偽投)をして、実際はボールをその塁へ送球しないとボークとなります。
投手がランナーを惑わそうとする動きとなるため、フェアなプレイを守るために禁止されています。
(2) 投手板に触れている投手が、一塁または三塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合。
【注】 投手が投手板に触れているとき、走者のいる二塁へは、その塁の方向に直接ステップすれば偽投してもよいが、一塁または三塁と打者への偽投は許されない。投手が軸足を投手板の後方へ外せば、走者のいるどの塁へもステップしないで偽投してもよいが、打者にだけは許されない。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
③牽制の際にその塁へ向けて足をまっすぐ出さなかったとき
投手板を外さずに牽制する場合には、しっかりとその塁の方向に足を踏み出さなければなりません。
足を踏み出さずに上半身だけでスローイングを行った場合や、真っ直ぐと塁の方向へ足が踏み出せていない場合は、ボークとなります。
(3) 投手板に触れている投手が、塁に送球する前に、足を直接その塁の方向に踏み出さなかった場合。
【原注】 投手板に触れている投手は、塁に送球する前には直接その塁の方向に自由な足を踏み出すことが要求されている。投手が実際に踏み出さないで、自由な足の向きを変えたり、ちょっと上にあげて回したり、または踏み出す前に身体の向きを変えて送球した場合、ボークである。投手は、塁に送球する前に塁の方向へ直接踏み出さなければならず、踏み出したら送球しなければならない。(二塁については例外)
ランナー一・三塁のとき、投手が走者を三塁に戻すために三塁へ踏み出したが実際に送球しなかったら(軸足は投手板に触れたまま)、ボークとなる。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
④走者のいない塁へ送球・送球するまねをしたとき
ランナーがいない塁へ向かって牽制球を投げたり、投げるふりをした場合にボークになります。
ただし、一塁ランナーが二塁へ盗塁しようとして、二塁へ向けて投げた場合などには当てはまりません。
(4) 投手板に触れている投手が、走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合。
ただし、プレイの必要があればさしつかえない。
【原注】 投手が走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合、審判員は、それが必要なプレイかどうかを、走者がその塁に進もうとしたか、あるいはその意図が見られたかで判断する。
【問】 走者一塁のとき、走者のいない二塁に送球したり、または送球するまねをしたらボークか。
【答】 ボークである。しかし一塁走者が二塁に盗塁しようとしたのを防ぐ目的で、第1動作で二塁の方向に正しく自由な足を踏み出せば、ボークにならない。なお投手が投手板を正規に外せば、ステップをしないで送球してもかまわない。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑤反則な投げ方をしたとき
バッターが構える前にクイックピッチで投球することは危険なため、ボークとなります。
(5) 投手が反則投球をした場合。
【原注】 クイックピッチは反則投球である。打者が打者席内でまだ十分な構えをしていないときに投球された場合には、審判員は、その投球をクイックピッチと判定する。塁に走者がいればボークとなり、いなければボールである。クイックピッチは危険なので許してはならない。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑥打者が構える前に投球したとき
打者が構えて、初めて投手は投球を開始する事が出来ます。
これは打者が投球に気付かないと、ボールが体に当たってしまうなどの怪我を防ぐためでもあります。
(6) 投手が打者に正対しないうちに投球した場合。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑦投手板を踏まずに投球をしたとき
投手板をまたいだり、足が触れずに横にはみ出したりしている状態から、投球に関連する動作を行うとボークとなります。
(7) 投手が投手板に触れないで、投球に関連する動作をした場合。
【問】 走者一塁のとき、投手が投手板をまたいだままストレッチを始めたがボールを落とした。ボークとなるか。
【答】 投手が投手板に触れないで、投球に関連する動作を起こしているからボークとなる。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑧遅延行為をしたとき
不必要に牽制を多く投げたり、ランナーが離塁していないのに何度も牽制するなど、むだに時間をかける行為をした際はボークとなります。
(8) 投手が不必要に試合を遅延させた場合。
【原注】 本項は、6.02(c)(8)により警告を発せられたときは、適用されない。投手が遅延行為を繰り返して6.02(c)(8)により試合から除かれた場合には、あわせて本項のボークも課せられる。5.07(c)は、塁に走者がいないときだけ適用される。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑨ボールを持たずに投手板に立ったとき
ボールを持たないでプレートを踏んだり、またいだ時にはボークとなります。
隠し球などで野手がボールを持っている際にプレートを踏んだり、跨いだりしたときに適用されます。
(9) 投手がボールを持たないで、投手板に立つか、これをまたいで立つか、あるいは投手板を離れていて投球するまねをした場合。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
バント店長
⑩投球前にボールから手を離したとき
投球前にボールから手を離すとボークになります。
間を取りたい時などにプレートを外さずに手を離してしまうと適用されます。
(10) 投手が正規の投球姿勢をとった後、実際に投球するか、塁に送球する場合を除いて、ボールから一方の手を離した場合。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑪投球動作中にボールを落としてしまったとき
投球動作中やセットポジションの時に手からボールが離れ落としてしまった場合もボークとなります。
故意、偶然は問われません。
(11) 投手板に触れている投手が、故意であろうと偶然であろうと、ボールを落とした場合。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑫キャッチャーボックスの外にいる捕手に投げたとき
敬遠をする際などに、キャッチャーがキャッチャーズボックスから、リリースよりも前に出た時にはボークとなります。
(12) 故意四球が企図されたときに、投手がキャッチャースボックスの外にいる捕手に投球した場合。
【注】 〝キャッチャースボックスの外にいる捕手〟とは、捕手がキャッチャースボックス内に両足を入れていないことをいう。したがって故意四球が企図されたときに限って、ボールが投手の手を離れないうちに捕手が片足でもボックスの外に出しておれば、本項が適用される。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
⑬セットポジションで完全に止まらなかったとき
セットポジションから投球する際には、必ず一度静止する必要があります。
具体的に秒数などは定められていませんが、完全静止がポイントです。
(13) 投手がセットポジションから投球するに際して、完全に静止しないで投球した場合。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
ボークが宣告されると、塁上にいるすべてのランナーはそれぞれ次の塁に進むことができます。
ボークが発生した時点で、ランナー必ず次の塁に進まなければなりません。
例えば、1塁にランナーがいる状態でボークが発生した場合、そのランナーは2塁に進塁します。
同様に、2塁にランナーがいる場合は3塁へ、3塁にランナーがいる場合はホームベースに進み、1点が入ることになります。
バント店長
ペナルティ
(a)項各規定によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各走者は、アウトにされるおそれなく、1個の塁が与えられる。
ただし、ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四球、死球、その他で一塁に達し、かつ、他のずべての走者が少なくとも1個の塁を進んだときには、このペナルティの前段を適用しないで、プレイはボークと関係なく続けられる。
【規則説明1】 投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球を含む)した場合、塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へアウトを賭して進塁してもよい。
【規則説明2】 (a)項ペナルティを適用するに際して、走者が進塁しようとする最初の塁を空過し、アピールによってアウトを宣告されても、1個の塁を進んだものと解する。
【注】 前掲〔規則説明1〕の〝悪送球〟には、投手の悪送球だけではなく、投手からの送球を止め損じた野手のミスプレイも含まれる。走者が、投手の悪送球または野手のミスプレイによって余塁が奪えそうな状態となり、ボークによって与えられる塁を越えて余分に進もうとしたときには、ボークと関係なくプレイは続けられる。
【6.02a原注】 ボークルールの目的は、投手が走者を意図的に騙そうとするのを防ぐためであることを、審判員は心に銘記しなくてはならない。もし、審判員の判断で投手の〝意図〟に疑いを抱いたら、審判員は厳重に規則を適用すべきである。
公認野球規則「6.02 投手の反則行為」
ボークと不正投球(反則投球)は、どちらも投手に関するルール違反ですが、それぞれ適用される状況などが異なります。
ここからは、ボークと不正投球の違いについて見ていきましょう!
ボーク | 不正投球 | |
---|---|---|
意味 | ピッチャーが投球する際の反則行為のこと。 | ピッチャーの不正な投球のこと。 |
誰のルール違反? | ピッチャー、キャッチャー | ピッチャー |
誰を不利にさせないため? | バッター、ランナー | バッター |
ペナルティ | 塁上のランナーはそれぞれ次の塁に進む | 場合によっては退場 |
例 | セットポジションで静止しない 偽投をする 投球モーション中に動作を止める など | ボールに異物をつけて投げる ボールを擦って状態を変える など |
ボークとは
ボークは、投手がランナーやバッターを惑わせたり、牽制や投球動作でルールに違反した場合に宣告されるものでした。
ボークが発生すると、塁上のランナーはそれぞれ次の塁に進むことが許されます。
ボークの例としては、「セットポジションで静止しない」、「偽投をする」、「投球モーション中に動作を止める」、などがあります。
不正投球(反則投球)とは
不正投球(反則投球)は、投手がボールを投げる際のルール違反のことです。
この違反は、以下のようなものが該当します。
- イリーガルピッチ:規定された投球フォームやモーションで投球しないこと。
- クイックピッチ:バッターが準備できていないうちに、素早く投球すること。
- グリッピング:投ボールに異物をつけたり、ボールを擦って状態を変えること。
不正投球が発生した場合、状況によっては退場が宣告されます。
ボークは野球においてとても重要なルールであり、その違反は試合の流れを大きく左右する可能性があります。
ボークのルールは、一見複雑で理解しにくいかもしれませんが、基本を押さえておくことで、野球の試合をより深く楽しむことができます!
ボークのルールをしっかりと理解し、実践に生かすことが、野球をプレイする上での大きな一歩です。
これからもボークに関する知識を深め、さらに野球を楽しんでいきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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