野球にはいろいろな評価をするための記録があります。
投手記録のひとつに、『セーブ』というものがあります。
メジャーな記録とはいえ、「勝利投手」や「防御率」に比べると条件も多くて、わかりにくいですよね。
「セーブ」という名称は知っていても、条件を知らないという人もいるのではないでしょうか。
そんな方もご安心ください。この記事では 『セーブ』 について徹底解説していきます!
用語解説
『セーブ』とは…
リードしているチームのリリーフ(救援)投手が試合終了まで、リードを守りきることで付く投手記録のこと。
その年のシーズン最多のセーブを記録した投手には、「最多セーブ投手」のタイトルが与えられます。
セーブを記録するには、以下の4つの条件を全て満たす必要があります。
どんな条件があるのか見ていきましょう!
- 勝利投手の権利を持たないこと
- 勝利チームの最後の投手として登板すること
- 0回1/3以上の投球回を記録すること
- 下記の各項目のいずれかの場面で登板し、同点・逆転を許さずリードを守り切ること
- 登板時のリードが3点以内で、1イニング以上投げた場合
- 点差関係なく、3イニング以上投げた場合
- 登板時の状況が、対戦する打者2人にホームランを浴びたら同点もしくは逆転となる場合
一覧で見るとこのようになりますが、少しわかりにくいので、それぞれ詳しく見ていきましょう!
①勝利投手の権利を持たないこと
仮に先発投手が完投し勝利に導いたとしても、「勝利投手」「セーブ」の両方が記録されることはありません。「勝利投手」、「セーブ」の両方の条件を満たしていた場合、「勝利投手」の記録が優先されます。
②勝利チームの最後の投手として登板すること
勝利試合の最後を投げ切ったピッチャーであることが条件です。そのため、中継ぎ投手にセーブが記録されることはありません。

③0回1/3以上の投球回を記録すること
0回1/3とは、1アウトを取ることをさします。つまり、登板してから最低1アウトを取る必要があるということです。
④下記の各項目のいずれかの場面で登板し、同点・逆転を許さずリードを守り切ること

ここの条件が、セーブがわかりにくい原因なんだよなぁ…

ご安心してください!わかりやすく、例を上げながら説明していきます!
これは比較的イメージしやすいかと思います。プロ野球でもよく見る、9回の勝ち越している場面で抑えが登板するようなときです。
- 3-0の3点リードで勝っている状態で、9回裏から登板。

その次が、大幅に勝ち越しているときなどに、ロングリリーフするような場面です。
- 12-2の10点リードで勝っている状態で、7回裏から登板。

この場合、イニング数やアウトカウントは関係しません。
登板する際に、ランナーが0人であれば、リードは2点以内。
1人いれば3点以内。2人なら4点以内。ランナー満塁なら5点以内が条件となります。
- 2-0の2点リードで勝っている状態。9回裏ツーアウト、ランナーなしから登板。

(打者2人にホームランを打たれると、2点入り同点になってしまう)
- 4-0の4点リードで勝っている状態。9回裏ノーアウト、ランナー2.3塁から登板。

(打者2人にホームランを打たれると、4点入り同点になってしまう)
- 5-0の5点リードで勝っている状態。9回裏ツーアウト、ランナー満塁から登板。

(打者2人にホームランを打たれると、5点入り同点になってしまう)
「セーブ」の条件や意味を理解したところで、そのセーブの記録を見ていきましょう!
日本プロ野球の記録
通算記録トップ10
順位 | 投手 | セーブ | 実働期間 | 登板 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 岩瀬 仁紀 | 407 | (1999-2018) | 1002 | |
2 | 高津 臣吾 | 286 | (1991-2007) | 598 | |
3 | 佐々木 主浩 | 252 | (1990-2005) | 439 | |
4 | 藤川 球児 | 243 | (2000-2020) | 782 | |
5 | * | サファテ | 234 | (2011-2018) | 427 |
6 | 小林 雅英 | 228 | (1999-2011) | 463 | |
7 | 江夏 豊 | 193 | (1967-1984) | 829 | |
8 | 馬原 孝浩 | 182 | (2004-2015) | 385 | |
9 | クルーン | 177 | (2005-2010) | 304 | |
10 | * | 平野 佳寿 | 173 | (2006-2021) | 578 |
シーズン記録トップ10
順位 | 投手 | (所属) | セーブ | 年度 | 登板 |
---|---|---|---|---|---|
1 | サファテ | ソフトバンク | 54 | (2017) | 66 |
2 | 岩瀬 仁紀 | 中日 | 46 | (2005) | 60 |
2 | 藤川 球児 | 阪神 | 46 | (2007) | 71 |
4 | 佐々木 主浩 | 横浜 | 45 | (1998) | 51 |
5 | 岩瀬 仁紀 | 中日 | 43 | (2007) | 61 |
5 | サファテ | ソフトバンク | 43 | (2016) | 64 |
7 | 岩瀬 仁紀 | 中日 | 42 | (2010) | 54 |
7 | 西村 健太朗 | 巨人 | 42 | (2013) | 71 |
9 | クルーン | 巨人 | 41 | (2008) | 61 |
9 | 岩瀬 仁紀 | 中日 | 41 | (2009) | 54 |
9 | 藤川 球児 | 阪神 | 41 | (2011) | 56 |
9 | 呉 昇桓 | 阪神 | 41 | (2015) | 63 |
9 | サファテ | ソフトバンク | 41 | (2015) | 65 |
9 | バーネット | ヤクルト | 41 | (2015) | 59 |
こうしてみると、セーブ記録という特性上、球界を代表するクローザーが多く名を連ねています。
最後にそんな球界を代表するクローザーを見ていきましょう!
日本球界を代表する、名クローザーを2名紹介したいと思います!
佐々木主浩
絶対的な抑えであることから、「大魔神」という相性がついた。
最速154km/hの速球と数種類のフォークボールが武器。
日本人選手として最多となるメジャーリーグ通算129セーブ。
NPB時代だけで歴代3位となる252セーブを記録し、日米通算で381セーブを記録。
日本プロ野球名球会初のセーブ数による入会者。
岩瀬仁紀
日本プロ野球における最多登板(1002登板)および通算セーブ数記録保持者(407セーブ)。
最速149km/hのストレートに加え、「死神の鎌」と呼ばれた切れ味最強のスライダーが武器。
抑え役に転ずる前には、繋ぐ中継ぎエースとしても抜群の安定感を見せた。
最多セーブ投手を5回受賞し、歴代最多タイ記録。
歴代の記録、代表するクローザーとともに、「セーブ」について解説してきました!
この記事で「セーブ」について理解し、プロ野球をより一層楽しんでいただけたら幸いです!
今年のセーブ王は誰になるのか!とても楽しみですね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!