【野球】独立リーグとは?プロと何が違う?給与や入団について解説!

2023年ドラフト会議では、独立リーグから過去最多の23人がNPBから指名され、社会人野球からの指名選手よりも多異結果となりました。

独立リーグ出身選手として、過去最高のドラフト2位で2人の選手が指名され、これまで以上に注目されています。

そんな独立リーグについて、今回は解説してきます!

この記事では、「独立リーグ」にリーグや球団の種類から、NPBとの違い、入団方法などを詳しくご紹介します!

こんな方にオススメ
  • 「独立リーグ」とは何かが知りたい
  • 独立リーグの種類、チームが知りたい!
  • 日本野球機構(NPB)との違いが知りたい!
  • もっと野球に詳しくなりたい!

まずは簡単に、用語解説からです!

用語解説

独立リーグとは?
日本野球機構(NPB)とは別に組織されたプロ野球リーグのこと

バント店長

独立リーグの選手はれっきとしたプロ野球選手だよ!

なぜ「独立」リーグなのか

では、なぜ「独立」リーグという名前なのでしょうか?

日本では日本野球機構(NPB)がトップリーグとして存在しています。

そのため、この日本野球機構から独立したリーグ。

つまり、トップチームの傘下にないプロリーグのため、独立リーグとして言わるのです。

NPBとの違いは?

独立リーグの発足当初はアマチュアとして扱われていましたが、2009年からはNPBと同じようにプロとして扱われるようになりました。

しかし、給与や待遇などで大きな違いがありますので、それらについてご紹介していきます!

日本野球機構(NPB)独立リーグ
給与報酬年俸制月額制の場合が多い
年俸平均4000万円(支配下選手)平均200万円
球団のメイン収入源チケット収益スポンサー収益
オフシーズン自主トレ、キャンプ自主トレ、アルバイト

給与

独立リーグの選手の給料は球団、リーグによっても異なりますが、月給10万円から20万円程度になります。

NPBの支配下登録選手の平均年俸が約4000万円に対し、独立リーグは200万円程度と言われています。

試合で活躍したなどでインセンティブが入るチームもあり、その場合にはもう少し高い給料を獲得していくことも可能です。

しかし、シーズン中しか給料が支給されなかったり、練習生であれば無給だったりとNPBとの違いも大きくあります。

また、NPBであれば育成選手であっても寮に入ることができ、食事などを球団が提供していくということもありますが、独立リーグの場合ではこれらも選手自身で用意しなくてはいけないということも多くあります。

球団の収入源

独立リーグの球団の収入源としては、協賛企業からの広告費と試合のチケット代や球団グッズの売上によって構成されています。

内容としては日本野球機構(NPB)と同じですが、そのほとんどを協賛企業からの費用、いわゆるスポンサー収益で運営しています。

NPBのような観客動員数が見込まれないため、各球団さまざまな施策や、地域貢献活動を行い球場へ足を運んでいただけるよう取り組んでいます。

オフシーズンに何をしているのか?

独立リーグではオフシーズンは給料が発生しません

そのため、アルバイトなどをしてお金を稼ぎながら、生活をするという選手が多くいます。

3月からは全体練習が始まっていきますが、3月はシーズンではないため、給料が発生しないという球団もあります。

そのため、この期間に生活していくことができるためのお金も稼いでいくことが必要です。

練習とアルバイトを両立し、自立した生活をしていくことがオフシーズンには求められていきます。

どうやって独立リーグ球団に入団するのか?

NPB入りを目指す選手が社会人へ進路を決めた場合、高卒では3年後、大卒は2年後に、ようやくNPBからの指名が解禁されます。

一方の独立リーグは、高校・大学の卒業後ともに1年で解禁されるため、プロ入りを目指す選手が進路として決めることも多くなっています。

ここからは、独立リーグ球団への入団について解説してきます!

独立リーグへはいくつかの入団方法があります。

  • 合同トライアウト
  • 入団テスト
  • 練習会への参加

こういったことを経て、チームから契約するということが決まれば入団していくことができます。

入団の難易度

入団の難易度としては、NPB入りを目指している選手も多いため、決して低いものではありません

合同トライアウトの1次試験などの足切り基準は高くありませんが、結果的に球団から必要とされるか、球団が欲しいという人材かということが見極められます。

また、登録人数に限りがあるため、前年に退団した選手のポジションなど全体のバランスも見て指名されていきます。

選手の入れ替わり

独立リーグでは、毎年10人以上の選手が入れ替わるチームも多くあります。

NPBのドラフト会議で指名されたり、社会人野球へスカウトされて退団する選手も中にはいますが、多くは野球を辞める決断をした、次の進路に向けてという選手です。

独立リーグは「夢を諦める場所」とも言われる場所です。

区切りをつけるために挑戦する選手もいるため、1、2年といった短い期間で自分から退団していく選手も多くいるのが実情です。

各リーグと所属球団

現在活動しているリーグとして、日本に8つのリーグがあります。

この項では現在活動している8つのリーグと所属球団についてご紹介していきます。

四国アイランドリーグPlus

1つ目は、2005年に設立して、四国4県の球団が所属する「四国アイランドリーグPlus」です。

四国それぞれの4球団が所属しています。

チーム本拠地
愛媛マンダリンパイレーツ愛媛県松山市
(坊っちゃんスタジアム)
香川オリーブガイナーズ香川県高松市
(レクザムスタジアム)
高知ファイティングドッグス高知県高知市
(高知市野球場)
徳島インディゴソックス徳島県徳島市
(むつみスタジアム)

ベースボール・チャレンジ・リーグ

2つ目は、2007年設立の「ベースボール・チャレンジ・リーグ(通称:ルートインBCリーグ)」です。

甲信越地方1県、関東地方5県、東北地方1県7球団が所属しています。

2023年は8球団でしたが、新潟アルビレックスBCがNPBのファームへ加入となったことで、2024年シーズンからは7球団で開催されます。

チーム本拠地
福島レッドホープス福島県
茨城アストロプラネッツ茨城県
栃木ゴールデンブレーブス栃木県
埼玉武蔵ヒートベアーズ埼玉県
神奈川フューチャードリームス神奈川県
群馬ダイヤモンドペガサス群馬県
信濃グランセローズ長野県

関西独立リーグ

3つ目は2014年設立の「関西独立リーグ」です。

2018年までは「BASEBALL FIRST LEAGUE」。

2020年からは「さわかみ関西独立リーグ」の名称を使用している関西6チームで活動しているリーグです。

チーム本拠地
堺シュライクス大阪府堺市
和歌山ウェイブス和歌山県田辺市
大阪ゼロロクブルズ大阪府東大阪市
兵庫ブレイバーズ兵庫県三田市
淡路島ウォリアーズ兵庫県淡路市
姫路イーグレッターズ兵庫県姫路市

北海道ベースボールリーグ

4つ目は2020年に北海道で設立された「北海道ベースボールリーグ」。

こちらは過去7球団の加盟がありましたが、現在は2球団で構成されています。

現在は2球団で構成されています。

チーム本拠地
富良野ブルーリッジ富良野市
旭川ビースターズ旭川市

九州アジアリーグ

5つ目は2021年設立の九州アジアリーグ。

九州で4球団と1つの準加盟球団で構成されています。

4つの球団と1つの準加盟球団で構成されています。

チーム本拠地
大分B-リングス大分県大分市
火の国サラマンダーズ熊本県熊本市
北九州下関フェニックス福岡県北九州市
山口県下関市
宮崎サンシャインズ宮崎県
佐賀インドネシアドリームズ佐賀県
(2024年シーズンより加盟)

北海道フロンティアリーグ

6つ目は、2022年に設立された「北海道フロンティアリーグ」です。

先述した「北海道ベースボールリーグ」を脱退した3球団によって設立されたリーグです。

チーム本拠地
美唄ブラックダイヤモンズ美唄市
石狩レッドフェニックス石狩市
KAMIKAWA士別サムライブレイズ士別市

ベイサイドリーグ

7つ目は、2022年設立の「ベイサイドリーグ」です。

こちらは、ベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)に所属していた富山GRNサンダーバーズ、石川ミリオンスターズ、福井ワイルドラプターズ、オセアン滋賀ブラックスの4球団が2021年シーズン終了後にリーグを脱退して、新たに「日本海オセアンリーグ」という名称で設立されました。

しかし、2022年終了後に福井の活動休止が発表。

さらに、千葉の「スカイセイラーズ」設立と、神奈川の「YKSホワイトキングス」の加入が発表されました。

富山と石川は「日本海リーグ」に移ることとなり、「ベイサイドリーグ」へと名称が変更されることとなりました。

現在は、千葉スカイセラーズが「ベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)」への加盟を目指すと発表したため、「YKSホワイトキングス」1チームのみの加盟となります。

チーム本拠地
YKSホワイトキングス神奈川県

日本海リーグ

8つ目は、2023年設立の「日本海リーグ」です。

先述した「日本海オセアンリーグ」から富山GRNサンダーバーズと石川ミリオンスターズが脱退し、新たに設立したリーグです。

現在は2球団で構成されています。

チーム本拠地
富山GRNサンダーバーズ富山県富山市
石川ミリオンスターズ石川県金沢市

ここからは休止しているリーグについても紹介します。

休止リーグ

過去に活動していたものの、現在は休止しているリーグもいくつかあります。

新日本専門リーグ

こちらは、日本プロ野球始まりと同じ1936年に始まったリーグです。

翌年の1937年には終了してしまいました。

ジャパン・フューチャーベースボールリーグ

日本の近畿地方(大阪府、三重県)を活動地域としていたリーグ。

「三重スリーアローズ」「大阪ゴールドビリケーンズ」の2球団で2010年に活動していたリーグです。

関西独立リーグ

2009年から2013年に活動しており、現在活動している「関西独立リーグ」と一部球団は共通していますが、運営母体が異なっています。

プロ野球マスターズリーグ

2001年に設立し、2008-2009年シーズンを最後に公式戦は行われていません。

プロ野球OBがプロ野球のシーズンオフに「札幌アンビシャス」「東京ドリームス」「名古屋80D’sers」「大阪ロマンズ」「福岡ドンタクズ」の5チームで行っていました。

日本女子プロ野球機構

2010年に女子プロ野球リーグ創設のため、わかさ生活を株主として設立。

しかし、2021年シーズンに所属選手がいなくなり、事実上の活動停止。2021年末に完全休止を発表となりました。

まとめ

独立リーグとは?
日本野球機構(NPB)とは別に組織されたプロ野球リーグのこと!

今回は、「独立リーグ」について解説してきました!

ドラフト会議では独立リーグに所属する選手も多く指名され、今注目を浴びているリーグではありますが、現実として厳しい一面も合わせ持っています。

ぜひ、これからの野球選手を応援していく中で、独立リーグも注目していっていただければ幸いです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!