スポーツニュースやスポーツ新聞でよく見かける「自力優勝」という言葉。
言葉自体は聞いたことがある人も多いかと思いますが、こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
「プロ野球の自力優勝ってどういうこと?」「自力優勝が消滅すると優勝できなくなるの?」
言葉だけを見ると、そのシーズンは優勝ができなくなると思ってしまうかもしれません。
自分が応援しているチームの自力優勝できるチャンスがなくなると、落ち込むこともあるでしょう。
今回この記事では「自力優勝」の意味から、なぜ消滅・復活するのか?、マジックやプロ野球の順位の決め方まで、小学生でもわかるように解説していきます!
この記事はで読むことができます。
まずは簡単に、用語解説からいきます!
用語解説
- 自力優勝とは?
- 残りの試合を全部勝てば優勝できる可能性があること。つまり「自分の力で優勝すること」ことを表す。
当たり前ですが、シーズンが始まった時点ではどのチームにも、自力優勝のチャンスがある状態でスタートされます。
バント店長
さて、それはどんな場合なのか!?早速見ていきましょう!
自力優勝の消滅とは?

自力優勝の消滅とは、「自分のチームが残り試合を全勝しても、他のチームの勝敗次第で優勝できない状態になること」です。
仮に自分のチームが残り試合を全勝した場合でも、他のチームが自分のチームとの試合以外で全勝し、勝率で上回れなくなると自力優勝が消滅してしまいます。
実際に自力優勝が消滅した事例をもとに説明します。
最下位だった阪神タイガースは54試合を消化し、20勝33敗1分の勝率.377でした。
一方、首位のヤクルトスワローズは、51試合を消化して31勝19敗1分で勝率.620です。
仮に阪神が、残り89試合を全勝した場合、109勝33敗1分で勝率.767となります。
そして、ヤクルトが残りの阪神戦に全敗し、他の試合で全勝したとすると、110勝32敗1分の勝率.774となります。
このことから、阪神が残り試合を全勝したとしても、ヤクルトの勝率を上回ることができないため、自力優勝が消滅ということになります。
自力優勝の復活とは?
自力優勝の可能性がなくなったとしても、他球団の勝敗次第では自力優勝が復活します。
6月1日の試合で、ヤクルトは負け、阪神は勝ちという結果になりました。
先述の例に当てはめると、ヤクルトは109勝33敗1分で勝率.767
阪神は110勝33敗1分で勝率.774となり、勝率で阪神が逆転して自力優勝できるようになりました。
このことから自力優勝が消滅したからといって、優勝できる可能性がなくなるわけではないことがわかりますね。
自力優勝のチャンスが消滅するというのはインパクトが大きく見えるので、テレビや新聞で大きく取り上げられますが、深刻に考える必要はないでしょう。
自力優勝が消滅した状態で優勝したケース

実は自力優勝ができない状態で、リーグ優勝を成し遂げたケースがあります。
2021年と2022年のオリックスは、2年連続で自力優勝が消滅していながらも優勝を果たした珍しい球団です。
2021年はロッテが優勝マジックを3まで減らしていたものの、1敗もできないギリギリの状態でシーズン終盤を過ごしていました。
ロッテが1敗でもすればオリックスの逆転優勝が決まる状況で、10月27日の楽天戦でロッテは痛恨の敗退を喫してしまいます。
これにより、すでにシーズンの全日程を終了していたオリックスの逆転優勝が決定しました。
2022年はソフトバンクが優勝マジック1まで迫っていましたが、最終戦で敗退し2位のオリックスが勝ったことで、2年連続で自力優勝が消滅している状態からの優勝という極めて珍しいケースとなりました。
シーズン終盤にゲーム差がほとんどない状態だと、上記のようなケースが発生することもあり得ます。
バント店長

オリックスが自力優勝ができない状態で優勝を決めたケースについて紹介しましたが、優勝には欠かせない「マジック」について解説していきます!
用語解説
- マジックとは?
- 他チームの試合結果に関わらず、優勝するために自チームがあと何勝すればよいかを表す数字。
マジックが点灯するには?
マジックが点灯する条件は、同リーグに所属する他の全チームに『自力優勝の可能性が無くなった状況』にマジックが点灯します。
そのため、基本的にはマジックが点灯するのは1位のチームです。
マジックナンバーは優勝までに必要な勝利数を表していて、ゼロになると優勝になります。
他の全チームに自力優勝の可能性がなくなる。
こちらは後ほど解説していきます。
減らしていったマジック数が「0」になることで、優勝が決定。
しかし、マジックが点灯しても試合で負け続け、2位以下のチームに自力優勝のチャンスが出てくるとマジックナンバーは消えます。
バント店長
マジック数を減らすには?については、下記記事で詳しく解説しているので、ぜひそちらもご覧ください!
マジックについて

プロ野球の順位は主に勝率で決定されます。
引き分けは試合数にカウントされず、勝利数から引き分けを除いた試合数で割ると勝率を導き出すことが可能です。
- 勝率 = 勝試合数 ÷(勝試合数+敗試合数)
勝率が同じチームが出た場合、セ・リーグとパ・リーグで決め方が異なるので、リーグ別の決め方を紹介します。
セ・リーグの順位の決め方は、優先度が高い順に以下のようになります。
- 勝率が最も高いチーム
- 勝利数が最も多いチーム
- 勝率が同じ球団同士の直接対決で勝率が高いチーム
- 前年度の順位が上位のチーム
以上のような形で順位が決められていきます。
次にパ・リーグの順位の決め方について紹介します。
こちらも優先度が高い順だと以下のようになります。
- 勝率が最も高いチーム
- 勝率が同じ球団同士の直接対決で勝率が高いチーム
- 交流戦を除くリーグ戦の勝率が最も高いチーム
- 前年度の順位が上位のチーム
以上のようになります。
セ・リーグと異なる点は、勝利数で決めるのではなく、勝率をメインにして順位を決めるところにあります。
今回は、自力優勝についての解説やマジックナンバーについて、リーグ別の順位の決め方について解説しました。
名前だけは知っていても内容はぼんやりとしか知らなかったという人も、本記事を読んだことで詳しく知れたのではないでしょうか!
主に勝率が大きく関わってくる部分ですが、計算方法も難しくありません。
ニュースなどで自力優勝が消滅したという報道を見た際には、今回の内容を思い出して計算してみてはいかがでしょうか!
この記事で「自力優勝」について理解して、プロ野球をより一層楽しんでいただけたら幸いです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!