野球歴約30年。野球ショップに勤めています。バント店長です。
プロ野球のシーズンが終盤になると、ニュースなどで『戦力外通告』という言葉を耳にすることが増えてきます。
今回はそんな『戦力外通告』と、それとあわせてよく聞く『自由契約』について解説していきます!!
こんな疑問を持っている方に向けて、『戦力外通告』について詳しく解説していきます!!

用語解説
『戦力外通告』とは…
プロ野球の球団が、そのチーム所属の選手に対し、「戦力構想から外れていることを通告」すること。
選手契約の解除、事実上のクビを意味する。
通告期間
戦力外通告には、通告期間が定められています。
第1次と、第2次の2期間が設けられています。
【第1次通告】10月1日からクライマックスシリーズ開幕前日まで
【第2次通告】クライマックスシリーズ全日程終了翌日からSMBC日本シリーズ終了翌日まで。
ただし日本シリーズ出場チームは日本シリーズ終了の5日後まで

日本プロ野球では、1球団あたり70人までしか支配下登録(球団所属の選手になる契約)できないという決まりがあります。
毎年10月に行われ、盛り上がりを見せるドラフト会議や、海外からの新入団選手、FA移籍の選手など、新たに加入する選手がいるため、何もしないでいるとこの支配下登録70人という枠は、すぐに超えてしまいます。
そこで、支配下登録70人を維持しつつ、選手の入れ替わりを目的に行われるのが、この『戦力外通告』です。
戦力外通告を受けた選手の、主な選択肢3つあります。
- 引退
- 育成選手として再契約
- 現役続行を目指しトライアウトに参加
それぞれ見ていきましょう。
引退
一番わかりわかりやすいのが、この「引退」でしょうか。
引退選手のセカンドキャリとして多いのが、野球解説やコーチ、野球評論家などです。
一般企業に再就職したり、起業する場合もあります。
育成選手として再契約
支配下登録選手は70人という上限があるため、その枠からは外れるものの、育成選手として再契約される場合もあります。
引退にするには惜しい選手や、故障により長期リハビリが必要な選手が、一度支配下登録を外れ育成契約を結ぶことがあります。
年齢が比較的若い選手が、育成して再契約される場合が多いです。
現役続投を目指しトライアウトに参加
最後は、現役続投を目指し、毎年シーズン全日程が終了したあとに行われる「12球団合同トライアウト」に参加するパターンです。
「12球団合同トライアウト」は、戦力外通告を受けた選手の最後の砦と言っていいでしょう。
このトライアウトで気になった選手がいた場合、球団から選手に連絡がいくという流れです。
日本プロ野球の球団はもちろんのこと、独立リーグや社会人野球チームなども視察に訪れるため、NPB以外の球団で現役を続ける選手もいます。
よく「戦力外」と「自由契約」は、使われる場面が似ていることから、違いが曖昧な方もいるのではないでしょうか?
ここからは、「戦力外」と「自由契約」の違いについてみていきましょう!
『自由契約』とは?
戦力外通告などを受け、特定のチームに所属していない(支配下に置かれていない)状態のこと。
どのチームとも自由に選手契約をすることができる状態のこと。
その状態にある選手を、自由契約選手という。
『戦力外』と『自由契約』の違い
「戦力外」と「自由契約」の違いをまとめると以下の通りです。
戦力外 | 自由契約 |
---|---|
選手が戦力としてチームの構想から外れていること | 所属していない(支配下に置かれていない)状態のこと |
「あなたはチームにもういりません」 | 「他のチームと契約してもいいですよ」 |
バント店長
選手契約の解除、事実上のクビを意味する。
プロ野球における、『戦力外通告』について解説してきました。
今まで、ニュースなどで聞いたことがあるけど、詳しく知らなかった内容もあるのではないでしょうか!
プロ野球は実力勝負の厳しい世界です。
それだけに、納得した引退を迎えられるのはほんの一握りなのかもしれませんね。。。