野球歴約30年。野球ショップに勤めています。バント店長です。
みなさんは「現役ドラフト」という制度を知っていますか?
ニュースでも多く取り上げられ、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
聞いたことはあっても、その意味などわからない方もいるのではないでしょうか?
そんなも意味がわからない!という方もご安心ください!
この記事では、「現役ドラフト」についてしっかり理解できるように、以下の3点についてわかりやすく説明します!
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まずは、「現役ドラフト」の意味について理解しましょう!
用語解説
- 現役ドラフトとは?
- 出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる目的で、 他チーム所属の現役選手を指名し獲得できる制度のこと 。
またの名を「ブレークスルードラフト」と言い、メジャーリーグですでに導入している「ルール・ファイブ・ドラフト」を参考にしています。
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ルール・ファイブ・ドラフトとは
「ルール・ファイブ・ドラフト(Rule 5 draft)」とは、メジャーリーグ(MLB)で導入されている制度。
実力がありながらも活躍の場が与えられない選手が、マイナーリーグで飼い殺し状態になることを防ぐために、他チーム所属の現役選手を指名し獲得できる制度。
毎年、シーズンが終了した12月に行われる。
このように、すべての選手から指名できるわけではありません。
その他の細かい規定としては、指名した球団は指名選手の元所属チームに10万ドル(約1100万円)支払うなどの決まりがあります。
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「現役ドラフト(ブレークスルードラフト)」は、MLBの「ルール・ファイブ・ドラフト」を参考にしています。
日本野球機構と選手会間では、何度も協議を重ね、細部についても合意されたようです!
現時点で分かっている、「現役ドラフト」の仕組みをまとめてみました!
各球団は、下記除外選手以外から、2名以上の選手を選出します。
- FA権取得選手
- FA権を行使したことがある選手
- 育成選手
- 複数年契約の選手
- 前年のドラフト会議で指名された新人選手
- 年俸5000万円以上の選手
- 外国人選手
- 前年シーズン終了翌日以降のトレード獲得選手
- シーズン終了後に育成から支配下となった選手
非公開で行われます。
各球団は選出された選手の中から、少なくとも1人以上は獲得する。
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その他開催にあたり決まっている内容を紹介していきます!
現役ドラフトの指名順番は、かなり特殊な形式となっています。
最初に指名できる球団
全12球団が対象選手の中から、獲得したい選手を1人づつあげ、最も投票の多い球団から指名権を得ることができます。

その次に指名できる球団
1番目に指名できる球団から、選手を獲られた球団。

その次に指名できる球団
2番目に指名できる球団から、選手を獲られた球団。

これ以降は同様に、指名された球団から、指名できる順番となります。
このとき、すでに指名している球団から獲得された場合、指名していない残りの球団で、最初の投票の際に得票が多かった球団になる。

同数の場合には、ウェーバー制。0票の場合には、逆ウェーバー制となります。
一巡目が終了した後は、二巡目の指名を希望球団が、一巡目と逆順で指名していきます!
ウェーバー制についてはコチラ
現役ドラフトの対象となった際に、球団から本人に伝えるかは球団の自由となっております。
現役ドラフト自体も非公開で行われるので、選手としては決定後に言い渡される人もいるということですね。
故障歴などのメディカル情報の取り扱いについても、開示する方向ですすめられています。
ただ、メディカル情報は本人の同意がないと開示できません。
そのため、事前に現役ドラフトの対象であると本人がわからないようにするため、多くの選手から同意を得るようにするそうです。
現役ドラフトでの移籍を拒否して、所属球団に残留を受け入れなかった場合には、任意引退、退団となってしまいます。
選手救済のイベントですが、なかなか厳しいですね…
現役ドラフトの結果は、当日中に12球団分をまとめて発表する予定となっています。
こちらは、その日のうちに選手との合意を得られるかが問題になってきそうですね。
最後に初開催となった2022年の現役ドラフトの結果を紹介していきます!
1巡目の指名のみで、2巡目は行われませんでした。
指名球団 | 選手名 | ポジション | 前所属球団 |
---|---|---|---|
オリックス・バファローズ | 渡邉 大樹 | 外野手 | 東京ヤクルトスワローズ |
福岡ソフトバンクホークス | 古川 侑利 | 投手 | 北海道日本ハムファイターズ |
埼玉西武ライオンズ | 陽川 尚将 | 内野手 | 阪神タイガース |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 正隨 優弥 | 外野手 | 広島東洋カープ |
千葉ロッテマリーンズ | 大下 誠一郎 | 内野手 | オリックス・バファローズ |
北海道日本ハムファイターズ | 松岡 洸希 | 投手 | 埼玉西武ライオンズ |
東京ヤクルトスワローズ | 成田 翔 | 投手 | 千葉ロッテマリーンズ |
横浜DeNAベイスターズ | 笠原 祥太郎 | 投手 | 中日ドラゴンズ |
阪神タイガース | 大竹 耕太郎 | 投手 | 福岡ソフトバンクホークス |
読売ジャイアンツ | オコエ 瑠偉 | 外野手 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
広島東洋カープ | 戸根 千明 | 投手 | 読売ジャイアンツ |
中日ドラゴンズ | 細川 成也 | 外野手 | 横浜DeNAベイスターズ |
ついに「現役ドラフト」が始まりました!
すでにメジャーリーグで導入されている「 ルール・ファイブ・ドラフト 」のように、より細かい規定も回数を重ねると決まってくるでしょう。
メジャーリーグの「ルール・ファイブ・ドラフト」では、才能が見いだされ、オールスター出場や、タイトル獲得、さらには野球殿堂入りした選手もいます。
日本でも導入されれば、今まで活躍できなかった選手が他球団に行くことで、環境が変わり才能が開花する選手が生まれてくることでしょう。
選手からすれば、メリットの多い制度なのではないのでしょうか!
今回の記事を読んで、少しでも「現役ドラフト」に理解していただけたら嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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